米Sprintとケーブル事業者の米Mediacom Communicationsは米国時間8月25日に,VoIPサービスの提供に関する複数年の提携を発表した。

 Mediacom社は,自社の高性能デジタル・ネットワークとSprint社の通信インフラを利用し,ケーブル・サービスを展開している米国23州の家庭に向け,VoIPサービスを提供する。まず一部の市場を対象に,2005年前半よりサービスを開始する。

 Sprint社は,公衆網へのトラフィック切り替え,緊急電話番号911への接続,番号ポータビリティ制度(LNP)の対応,番号案内サービスなどについても協力する。

 「Sprint社との提携により,ブロードバンド向けの強力なバンドル製品を提供することができる。従来の電話から当社のVoIPサービスに移行するユーザーは,電話番号を変更する必要はなく,すでに所有している電話機および宅内回線を利用し,より高度な機能にアクセスできる」(Mediacom社会長兼CEOのRocco B. Commisso氏)

 またMediacom社は,Sprint社の無線サービスをバンドル提供に加えることも検討中だという。

 ちなみに,米メディアの報道(CNET News.com)によると,Sprint社がVoIPに関してケーブル事業者と提携を結ぶのは,米Time Warner傘下のTime Warner Cableと米USA Companiesに次いで,今回が3社目となる。Bell系地域電話会社がビデオ・サービスに乗り出しているため,ケーブル事業者も音声サービスを手がけ始めている。両者とも,今後数年で,音声,ビデオ,データ・サービスを1社から導入する消費者が増えると見込んでいる。

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