富士通の米国子会社Fujitsu Microelectronics America(FMA)は,無線ブロードバンド規格WiMAX(Wireless Microwave Access)対応の機器に搭載されるシステム・オン・チップ(SoC)の出荷予定を米国時間8月24日に明らかにした。

 FMA社のWiMAX対応SoCは,2005年初旬に出荷が開始される見込み。同社は,基地局と加入者向けアクセスポイントへの搭載が,2005年後半から2006年を通じて加速されると予測している。

 現在,同社は大手機器ベンダーとインフラ・ベンダーと協調して基地局と加入者向けアクセスポイントに搭載するチップの設計を進めている。2005年初旬に出荷されるチップには,PHY(Physical Layer)とMAC(Medium Access Control)機能が搭載される。

 出荷開始当初において同製品は,通信事業者とサービス・プロバイダ向け機器への搭載をターゲットとする。有線ネットワーク・システムで稼動するラックマウント型システムおよびブレード・サーバーとともに,スタンドアロン型の機器向けに設計されたベース・ステーションに実装される予定。後にWiMAX対応の加入者向け機器にも採用され,現在米国で利用されているカスタムの加入者向け機器よりも大幅な価格低下が期待されるという。

 WiMAXは,無線通信規格であるIEEE802.16と,欧州の都市型無線ブロードバンド標準であるHIPERMANに準拠した広帯域無線アクセス製品について,相互接続性を確保するための規格。非営利業界団体のWiMAX Forumが策定/推進している。最大75Mビット/秒で最長50kmまでの通信が可能。

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