米Boeingの広帯域通信サービス事業であるConnexion by Boeing社と米iPassは,機内Wi-Fiアクセス・サービスの提供に向けて提携する。両社が米国時間8月23日に明らかにした。iPass社のサービスを利用するモバイル・ユーザーは,ホテル,空港だけでなく,機上でもほぼシームレスな高速無線インターネット接続が可能になる。

 提携により,iPass社の企業顧客は,同社のローミング・ネットワーク「Global Broadband Roaming(GBR)」を通じてConnexion by Boeing社のモバイル・インターネット・サービスに接続が可能になる。同サービスの利用料金は明らかにされていない。

 Connexion by Boeing社は,民間航空機向けにリアルタイムの機内広帯域ネット接続サービスを提供している。iPass社がアクセス提供をしている無線LANアクセスポイントは,21カ国における121の空港を含め,世界33カ国で1万1000カ所を超えている。同社のGBRとConnexion by Boeing社のサービスにより,月間52万8000人を超えるiPass社の顧客が機内から自社のネットワークに接続して添付ファイルが付いた電子メールの送受信,ファイル,ビジネス・アプリケーションへのアクセス,インターネット・サーフィンができるようになる。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,同サービスは,6カ月以内に提供が開始される。これまでのところ,Boeing社が長距離飛行の航空会社にサービスを提供しているのはドイツのLufthansa社だけであるが,同社によればそのほか7社が同サービスの提供に向けて準備を進めているという。

 ちなみに,Northern Sky Research社による市場調査では,機内インターネット接続サービスの市場は,2004年の500万~1000万ドル規模が2008年までに2億~3億ドル規模に成長する可能性があるとみている。

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