フランスのAlcatelは,中国のChina Telecomに130万回線分のDSL装置を供給する契約を獲得した。Alcatel社が現地時間8月19日に明らかにしたもの。これによりChina Telecom社は,中国南部でDSLネットワークを展開する。ただしAlcatel社は,契約金額など詳しい取引条件について明らかにしていない。

 Alcatel社は,中国南部の上海市や浙江省,福建省,広東省,広西荘族自治区など省/都市15カ所にあるChina Telecom社の子会社に,「Alcatel 7300 Advanced Services Access Manager(ASAM)」を供給する。7300 ASAMを使用すると,ATMまたはIP DSLAMの運用が可能となる。

 導入作業が2004年9月に完了すると,China Telecom社は,ビデオ・ストリーミング,ビデオ・ブロードキャスト,ビデオ・オンデマンド,オンライン・ゲームなど,新たなエンド・ユーザー向けマルチメディア・アプリケーションを提供するのに十分なネットワーク容量を確保できる。

 Alcatel社のDSL装置を採用した理由について,China Telecom社副ジェネラル・マネージャのChang Xiaobing氏は,「最新のブロードバンド・ソリューションであるうえ,Alcatel社が中国市場と世界的な技術動向に精通しているため」と説明する。

 なお,Alcatel社が引用した中国のインターネット管理団体China Internet Network Information Center(CNNIC)の調査結果によると,「中国のブロードバンド市場は世界で最も成長が早い」という。「2004年6月時点のブロードバンド・ユーザー数は1700万人で,そのうち80%以上がDSLを利用している」(CNNIC)

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