米In-Stat/MDRは,マルチメディア対応の携帯型オーディオ/ビデオ・プレーヤに関する調査結果を米国時間8月18日に発表した。それによれば,2004年において同市場は,前年から700%拡大するという。また,同社は,同市場が2008年まで年間平均成長率179%で継続的に拡大すると予測している。

 これらのデバイスは,2003年に登場した。パーソナル・メディア・プレーヤ(PMP),またはパーソナル・ビデオ・プレーヤ(PVP)として知られており,オーディオ,ビデオ,イメージング機能を提供する。TVから直接録画するビデオ録画機能を持つものもある。PMPは,ネイティブのコーデック・サポートのレベルは異なるが,さまざまなメディア形式に対応している。同社が2003年後半に実施した調査によれば,回答者の30%近くがこれらデバイスのことを聞いたことがあると答えている。

 「最近のデバイスは価格が高く,すでにコンテンツをたくさん所有している消費者にとってもっとも有用となっている。同製品部門の成功に重要なのは,利用できるコンテンツの存在である。消費者はある程度自分のコンテンツを所有しているが,同業界の専門家の多くは,これら製品の真価は,ダウンロード可能なビデオ・コンテンツの普及によって発揮されると考えている」(同社業界アナリストのCindy McCurley氏)

 2004年は,これら製品が主にパソコンの知識が豊富な人や新しい物好きな人の注目を集めているが,企業は,消費者,旅行者,子供を楽しませたい人の3タイプのユーザーをターゲットにしているという。

 大半のデバイスが,1.8,2.5インチの20Gバイト・ドライブを搭載しており,製品の大部分が米Microsoftの「Portable Media Center(PMC)」またはLinuxプラットフォームを採用している。In-Stat/MDR社は,同年出荷されるデバイスの25%をPMCデバイスが占めると予測している。もっとも新しい製品の価格は,400~600ドルの範囲。同社は,予測される期間において,急激に価格が低下することは無いとみている。

◎関連記事
Windows Mobile搭載の携帯型メディア・プレーヤが8月下旬以降各社から発売に
MS vs ソニー,デジタル・メディアを巡り新たな戦い始まる
米Microsoftと米Walt Disney,デジタル・コンテンツで提携
米Intel,XScale技術をベースとする新しいポータブル・メディア・デバイスの作成で他社と協調

発表資料へ