ドイツのSiemensは,トランシーバのようにボタンを押すとすぐに会話ができる「Push and Talk(PaT)」機能を搭載した携帯電話機「CX70」を現地時間8月18日に発表した。CX70は,通信事業者によって異なるがオプションのPaT機能に加えて,3DのJavaエンジン,6万5536色の高解像度ディスプレイを搭載する。

 PaT機能を使って会話を始めるためには,あらかじめ登録したリストから会話したい人を選択する。ボタンを押すと登録されたアドレスに即座に会話への参加を促す招待メッセージが送られる。受信者は,招待を受けることも断ることもできる。参加の確認が取れた後に,送信者がPaTボタンを押すと会話を始めることができる。

 グループによる会話では,電話会議で必要な厄介な設定が必要なく,複数で音声のチャットが可能になり,全員が同時に会話を聞くことができる。グループ・メンバーは,PaTボタンを押して返答することができるが,同時に複数の人が話すことはできない。PaTボタンを最初に押した人が最初に話すことができる。同機能は,トランシーバーに似ているが,モバイル・ネットワークを利用して会話が行なわれるため,国外を含めどこでも利用することができる。

 米Zelos Groupの調査によれば, Push-to-Talk機能は,消費者が携帯電話機に望む機能として画像のメッセージ送信機能に次いでが2位に挙げられている。しかし,同機能が市場全体に普及するためには,異なるモバイル・ネットワークとデバイス間で情報が容易に交換できるようになる必要がある。

 同社の携帯電話機は,IMSネットワークへのアクセスを保証していおり,PaTクライアントを装備している。そのため,他社性の携帯電話機と大半のネットワーク・インフラに対応できる。また,IMSを利用しているため,ビデオ送信,マルチメディア・メッセージング・システムといった将来的なサービスにも対応できるという。

◎関連記事
「携帯電話機の満足度,首位のNokiaと他社の差が縮まる」,米調査
米Motorola,イスラエルのPelephoneにPush-To-Talkインフラを提供
「消費者が次の携帯電話機で最も重視する機能は画像メッセージングとPush-to-Talk」,米調査
米Motorola,異なるネットワーク間でPush-To-Talk機能を利用できる技術を発表

発表資料へ