ネットワーク関連企業によるグループWorld Wide Spectrum Efficiency(WWiSE)は,次世代無線LAN標準IEEE802.11nを検討している米国電気電子学会(IEEE)内のタスク・グループIEEE 802.11 Task Group N(TGn)に,規格案を提出する。WWiSEが米国時間8月12日に明らかにしたもの。

 IEEE802.11nは,IEEE802.11a/b/gに続く次世代無線LAN用の標準規格。100Mbps程度の通信速度を目指し,TGnが検討を進めている。

 WWiSEの提出する規格案は,多入力多出力直交周波数分割多重(MIMO-OFDM)を採用し,既存の全Wi-Fi標準との互換性を維持する。1チャンネルに割り当てる帯域幅は20MHzで,世界各地の電波利用規制に準拠させる。通信速度は,2×2と呼ばれる最小構成時で135Mbps。4×4構成で40MHzの帯域幅を割り当てると,最大540Mbpsの速度で通信できる。同規格の実装や利用に必要な特許については,「ロイヤルティ・フリーで提供する」(WWiSE)。

 WWiSEのメンバー企業は以下の通り。米Airgo Networks,米Bermai,米Broadcom,米Conexant Systems,仏伊合弁のSTMicroelectronics,米Texas Instruments。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,TGn参加企業のうち,米Atheros Communications,米Agere Systems,オランダRoyal Philips Electronics,米IntelがTGnSyncと呼ぶグループを作り,WWiSEに対抗する規格案を提出するという。なおTGnとしては,最初の草案公開を2005年なかごろに,最終的な規格公開を2006年終わりから2007年初めに予定している。

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