米Yahoo!と米Googleは,両社間で係争中だった特許侵害訴訟について和解合意したことを,米国時間8月9日に発表した。Google社は,Yahoo!社の子会社Overture Servicesが保持する特許のライセンスを取得する。一方Yahoo!社は,Google社に対して起こしていた訴訟を取り下げる。

 両社が問題としていた特許は,米国特許番号「6,269,361」,タイトルは「System and method for influencing a position on a search result list generated by a computer network search engine」。1999年5月28日に申請し,2001年7月31日に成立した。67件のクレームから成る。広告主が広告の表示場所をオークション形式で入札するbid-for-placement商品や,検索結果によって広告料を徴収するpay-for-performance検索技術の機能と新考案に関するもの。Overture社は,同特許と,関連する数件の特許をGoogle社が侵害しているとして,2002年4月に訴訟を起こしていた(関連記事)。

 またYahoo!社とGoogle社は,2000年に両社がサービス契約を締結した際Yahoo!社が取得した,Google社株式の購入オプションを規定したワラントを巡る問題でも和解に達した。米メディアの報道(InfoWorld)によると,Google社はYahoo!社のワラント行使に応じて2003年6月に120万株を発行したが,Yahoo!社は「Google社が米証券取引委員会(SEC)に申請した内容にもとづくと,もっと多くの株式を購入できるはず」と主張していた。

 Google社は,特許とワラントに関する2件の訴訟の和解金を,Class A普通株でYahoo!社に支払う。

 Google社が今回Yahoo!社に発行する株式数は270万株という。Google社は,2004年7~9月期決算に和解費用として2億6000万~2億9000万ドルを計上する予定(同メディアの情報)。

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