米In-Stat/MDRは米国時間8月2日に,IEEE 1394(FireWire)市場に関する調査結果を発表した。1394はパソコンと民生電子機器による採用が増えており,同仕様に対応した製品の出荷台数は,2003~2008年に年間平均22.2%で増加する。

 しかし,In-Stat/MDR社上級アナリストのBrian O'Rourke氏は,「USB 2.0,Digital Visual Interface(DVI),High Definition Multimediaといった代替インタフェースが大きな障害となる」と指摘する。例えば,プリンタ,スキャナ,PCカメラなどの周辺機器とパソコンをつなぐインタフェースでは,主にUSBが採用されている。また,これまで1394対応が多かったハード・ディスク装置やDVD書き込み装置などでも,USBの勢力が高まっている。その代わり,1394の採用は,デジタル・テレビ,DVDレコーダ,デジタル・カムコーダといった民生電子機器で伸びている。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・1394bとEthernetを共通の物理層に組み込んだ1394cは,家庭内ネットワーキングの分野に大きな影響を与えることになる。超広帯域無線(UWB:Ultra Wideband)経由の1394転送を実現するWireless 1394は,デジタル・カムコーダとDVDレコーダのような,携帯デバイスと卓上設置デバイスの一時的な接続向けに最適化される。

・パソコン市場でも,とりわけ消費者向けデスクトップ・パソコンおよびノート・パソコンで1394の搭載が盛んだ。しかし,企業向けパソコンでの採用は少ない。

・1394は自動車業界で,車内ネットワーキングの標準規格として開発が進められている。最初の1394対応車内ネットワーキングは,年内に日本市場で,アフターサービスとして導入される見込み。あらかじめ自動車に1394ネットワーキングが搭載されるようになるのは,2006年後半以降となる。

◎関連記事
「無線技術UWBは,パーソナル・ネットワーク以外にも利用できる」,英ABI Research
「家庭内エンターテインメント・ネットワーキング技術は,最終的にWi-Fiが主流に」,米調査
「家庭におけるWi-Fi製品の普及,職場を上回る」,米IDC
米Appleと松下,FireWire経由の100Mbps DV-HDデジタル転送を実現
家電製品の業界団体CEAが“注目すべき5つの技術”を発表。家庭内ネットワーク,UWB,DVRなど
米Intel,高速無線技術UWBおよびワイヤレスUSBに関する取り組みを発表
「デジタル・ホームの実現には家電の接続性と相互運用性が必要」,米IntelのCEOのBarrett氏
「2008年の家庭内ネットワーク機器市場は現在の2倍以上の171億ドル規模へ」,米調査

[発表資料へ]