ドイツSiemens傘下の米Siemens Business Servicesが,企業内でのヘルプ・デスク利用に関する調査結果を米国時間8月5日に発表した。ホワイト・カラーの36%が週30分以上,電話で社内の技術サポート・サービスを利用しているという。1時間以上という回答者は20%で,5時間以上という回答者は5%だった。

 Siemens Business Services社が引用した米労務省の調査によると,米国でホワイト・カラー労働者1名を雇用するコストは1時間当たり24.95ドルという。この値から換算すると,ヘルプ・デスク問い合わせで作業が中断する結果,5000人規模の企業だと年間410万ドルの損害が発生していることになる。

 さらに同社は,「従業員の26%が『個人所有の機器に関する質問を社内のサポート部門にする』と答えており,こうした状況が技術サポート・サービスの需要を増やしている」と指摘する。「ヘルプ・デスク・サービスに対する需要は,2005年と2006年に20%ずつ拡大する」(同社が引用した米META Groupの予測)

 「あらゆる指標のなかでも,ヘルプ・デスクの利用状況がIT環境の健全度を最も明確に示してくれる。ITインフラ全体の問題を解決すると,CIOはヘルプ・デスクの状況を改善できる。さらに重要なことに,IT全体の効率化とコスト削減につながる」(Siemens Business Services社北米担当CEOのJohn McKenna氏)

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