米Hewlett-Packard(HP)とオランダのPhilipsは,両社共同開発による著作権保護技術「Video Content Protection System(VCPS)」(旧名称「Vidi」)が米連邦通信委員会(FCC)の承認を得たことを,米国とオランダで現地時間8月5日に発表した。両社は同技術のメーカー向けライセンス供与を開始する。

 VCPS対応製品では,ユーザーはFCCの「Broadcast Flag」規制に則して,デジタルTV放送の番組をビデオ録画することが可能。DVD+R,DVD+RW,DVD+R DLディスクに記録し,合法的に再生を楽しむことができる。

 Broadcast Flag規制はデジタル・コンテンツ保護を目的としており,Broadcast Flagと呼ばれるコードを放送電波に挿入することで,インターネット上での不正再配信を防止する。FCCはデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)のメーカーに対し,2005年7月より,米国のデジタルTV放送を受信する製品を同規制に対応させるよう義務づけている。

 VCPS技術はパソコン,DVDレコーダおよびプレーヤ,光ディスクに容易に組み込むことができる。同技術を導入しても,「DVD+R/+RWディスクの製造コストが増えることはない」(両社)。

 VCPS技術の詳細については,Webサイトに掲載している。

 ちなみにデジタル・コンテンツ保護に関しては,米TiVoのDVRで装備しているネットワーク経由の番組共有機能を,FCCが認可している(関連記事)。TiVo社によると,FCCは「限られた人数ならば,インターネットを介した番組共有も問題ない」との判断を下したという。

◎関連記事
米HPがデジタル・コンテンツ保護の取り組みを発表,米Intelや蘭Philipsと協力
米TiVoの“録画番組のネット共有機能”,「少人数なら合法」とのFCC判断
「ビデオ・コンテンツのコピー機能を望む声が高い」,米調査
「DVRユーザーは,非DVRユーザーよりもVODプログラムを多く視聴」,米調査
「DVR購入で米国消費者のテレビ視聴満足度は急上昇」,米調査
「2005年末には米国家庭のの3610万世帯がPVRサービスを利用」,米企業の調査
米国テレビ局の両刃の剣,「DVR」がやって来た
IT/家電品/エンターテインメント企業8社,DRM技術の開発に向け結集

[発表資料へ]