米連邦通信委員会(FCC)が,ブロードバンド接続などのサービスも米国の盗聴法「Communications Assistance for Law Enforcement Act(CALEA)」の対象になるとの判断を示した。FCCが米国時間8月4日に明らかにしたもの。「使用している技術とは関係なく,あらゆる音声通信サービスがCALEAの規制を受ける」(FCC)という。

 FCCの規制案によると,有線,ケーブル・モデム,衛星,無線,電力線などあらゆる方式のブロードバンド・インターネット接続サービスを提供しているプロバイダがCALEAの対象となる。FCCはこれらサービスを「地域の電話交換サービスを代替する手段」とみなし,VoIPもCALEAに従い盗聴可能とする。携帯電話機をトランシーバのように使って会話するPush-To-Talkサービスも,CALEAで規制する。

 さらにFCCは,「CALEAの対象となるサービスや具体的な技術を特定する必要はない」との見解を示している。

 なお米Verizon Wirelessは同日,FCCの決定を支持する声明を発表した。

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