米Sun Microsystemsは,サンフランシスコで開催中の「LinuxWorld」で,次期OS「Solaris 10」(開発コード名は「Project Janus」)の新機能のプレビューを米国時間8月3日に行った。Solaris 10では,Linuxバイナリ・アプリケーションを,変更を加えることなく走らせることが可能。「異種混合のシステム環境で,パフォーマンスや管理性を下げることなく,開発および管理コストを削減できる」(Sun社)

 Solaris 10は600以上の新機能を追加したという。Linuxコードを他のプラットフォーム向けに翻訳するLinuxエミュレーションと異なり,ネイティブでx86システム上で走らせることが可能。同OSによりユーザーは,これまでSolaris OSで利用できなかったLinux対応の社内開発アプリケーションやISVのアプリケーションを活用できるようになる。

 Sun社は,Solaris 10で米Adobe Systemsの「Adobe Acrobat Reader」,米Oracleの「Oracle 9.2.i」,米BEA Systemsの「BEA WebLogic」といったアプリケーションの動作実験を行っており,Solaris 10をリリースする際に,動作確認済みのアプリケーション・リストも公開する。Solaris 10は年内に利用可能とする。米Red Hatの企業向けOS「Red Hat Enterprise Linux 3」と完全な互換性を持つ。米メディアの報道(CRN)によると,米Novellの「SuSe Linux」にも対応させる予定という。

 その他のSolaris 10の主な特徴は以下の通り。

・リアルタイムで問題を分析および復旧する機能「Dynamic Tracing」

・オンラインでエラーを検出および自動修復する機能「Predictive Self Healing」

・「既存のファイル・システムと比べて160億倍の容量を持つ」(Sun社)自己管理ファイル・システム技術「Dynamic File System」

 「当社は,今まで以上にLinuxとそのコミュニティに注力している。当社の戦略は,異種混合環境に最良の相互操作性を提供することを目的としている」(Sun社ソフトウエア部門執行バイス・プレジデントのJohn Loiacono氏)

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