米CodeWeaversは,Linux上でWindowsアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプレビュー版「CrossOver Office 3.1」を米国時間8月3日に発表した。ベータ前の同プレビュー版では,米Apple Computerのデジタル音楽ソフトウエア「iTunes」をサポートする機能を追加している。同製品は,既存のCrossOver Officeユーザーを対象に公開される。
CrossOver Officeは,エミュレータの必要なくLinux上でMicrosoft社の「Microsoft Office」「Internet Explorer」「Visio」,Intuit社の「Quicken」,Macromedia社の「Dreamweaver」「Flash」,Apple社の「QuickTime」といった多くのWindows向けアプリケーションの動作を可能にするもの。2002年に最初のバージョンが発表された。
iTunesのサポートにより,CrossOver Officeユーザーは,Apple社が提供する「iTunes Music Store」から楽曲をダウンロードが可能になるとともに,Linuxを搭載するパソコンにiPodを接続して楽曲の転送ができるようになる。
同社CEOのJeremy White氏は「iTunesは,ユーザーからもっとも要望が高いアプリケーションだった。現在も,2005年末までにはCrossOver OfficeでWindowsアプリケーションの大半がサポートされるようになると確信している。それまでに,バージョン3.1の開発を通じてLinuxユーザーにiTunesの魅力を伝えられるのを喜ばしく思う」とコメントしている。
「CrossOver Office 3.1」のベータ版は,数週間中に一般向けにリリースされる予定。プレビュー版は,サンフランシスコで開催中の「LinuxWorld 2004」においてデモが行なわれている。
同製品の最終版は,年内にリリースが予定されおり,一般ユーザー向け「CrossOver Office 3.1 Standard」と企業と教育機関向け「CrossOver Office 3.1 Professional」の2種類のバージョンが用意される。
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