米Red Hatは,アプリケーション・サーバー「Red Hat Application Server」を米国時間8月3日に発表した。Red Hat社は同製品の提供を通じて,「オープンソースでありながら確実にサポートを受けられる,低価格のアプリケーション・サーバーへの需要に応える」としている。

 同社は,米BEA,米IBM,米Oracleなどの戦略的パートナーと協力して,J2EEアプリケーション・プラットフォームとの相互接続性を確保する。米Sun MicrosystemsのSun SDK,BEA社のWebLogic JRockit,IBM社のJDKといった商用Java仮想マシン(JVM)などに対応するほか,Oracle Database,IBM DB2,米Sybaseの製品など,主要なデータベース管理システムにおける正常動作を保証する。

 Red Hat社Engineering部門執行副社長のPaul Cormier氏によると,「既存のレガシー・システムを活用しながら,オープンソースのソリューションを導入できるように,既存のJ2EEベンダーにフル対応したアプリケーション・サーバーを求めるユーザーが多かった」という。「現在,オープンソースのWebとJava関連のコミュニティは,Apache Software Foundation,ObjectWebコンソーシアム,Eclipseといった業界団体によって活気づいており,オープンソースのアプリケーション・サーバーの提供はごく自然な流れである」(同氏)

 Red Hat Application Serverは,一般的な商用J2EEアプリケーション・サーバー同様,以下の機能や特徴を備えている。

・エンタープライズ・アプリケーション・サーバー(JOnAS):Enterprise JavaBeans(EJB) に対応
・Webアプリケーション・サーバー(Tomcat):JavaServer Pages(JSP)とServletsに対応
・Webサービス:Apache AXISに対応
・Jakartaサーバー管理:Java Management Extensions(JMX)に対応。(JonAS/Tomcat)
・拡張性:プーリング,キャッシング,ストレージの最適化が可能
・メッセージングとトランザクションに対応
・クラスタリングによるフェールオーバやロード・バランシングが可能
・対応アーキテクチャ:IA-32,Itanium,PPC

 Red Hat Application Serverは,大企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」ファミリと完全な互換性を持つ。また,年間利用料には保守点検やサポート・サービスが含まれる。

◎関連記事
米Red Hat,オープンなWebアプリケーション開発,採用促進に向けた戦略を発表
米BEA,SOA/Javaアプリ開発フレームワーク「Apache Beehive」のコードを公開 
米IBMがソフト開発プラットフォームの新機能をデモ,「Eclipse 3.0」をベースにする 
J2EEで稼働率99.999%に挑戦,IBMがWebSphereの新機能を発表
【JavaOne 2004】J2EEベンダーのSOA戦略が出揃う──SunとOracleがSOA対応製品を発表,IBMとBEAを追う
沖電気と米BEA,Webと電話を連携できるアプリケーション・サーバーを共同開発
「J2EEアプリ・サーバー市場は今後も活況,課題は複雑さ」,米社調査
オープンソース

[発表資料へ]