米Gartnerは,2004年第2四半期の世界DRAM市場に関する調査結果を米国時間7月29日,発表した。それによると,同市場の売上高は67億ドルで,前期と比べて19.8%増加した。「過去4年間では,最高の売上高を記録した」(Gartner社)

 メーカー別にみると,第1位は韓国のSamsung Electronicsで,売上高は19億8000万ドル。第2位は韓国のHynix Semiconductorで,売上高は11億3900万ドル。Hynix Semiconductor社は,1999年以来の2位奪還となった。

 「Hynix Semiconductor社は,当期で最も成長を遂げたメーカーの1つだ。同社はレガシーおよびグラフィック向けDRAM分野で強い存在感を示した結果,ライバルである米Micron TechnologyやドイツのInfineon Technologiesの成長を上回った」(Gartner社半導体調査グループ部門主席アナリストのAndrew Norwood氏)

 Norwood氏は今後の世界DRAM市場について「現在,市場はピークに達しつつあるため,2005年は停滞期に向かうだろう」と予測する。「DRAMベンダーは利益をあげる一方で,新たな生産設備に投資を行っている。2005年後半~2006年にこれらの効果が出てくることから,過剰供給による停滞が生まれる」(同氏)

■2004年第2四半期,世界DRAM市場のメーカー別売上高
 (速報値,単位:百万ドル)
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                      04年Q2   シェア     04年Q1    シェア    成長率
メーカー              売上高   (%)     売上高   (%)     (%)
---------------------------------------------------------------------
Samsung Electronics    1,980     29.7     1,585     28.4       24.9
Hynix Semiconductor    1,139     17.1       921     16.5       23.7
Micron Technologies    1,021     15.3     1,002     18.0        1.9
Infineon Technologies    941     14.1       798     14.3       17.9
エルピーダメモリ         360      5.4       240      4.3       50.0
その他                 1,235     18.4     1,026     18.5       20.4
合計                   6,676    100.0     5,572    100.0       19.8
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注:ライセンス,組み込みメモリー,フラッシュの売上高は除く
出典:Gartner Dataquest社(2004年7月)

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