米Dell'Oro Groupが,世界Ethernetスイッチ市場に関する調査結果を米国時間7月29日に発表した。Dell'Oro Group社は,2004年の市場規模が前年に比べ14%拡大すると予測する。2003年までは,3年連続で売上高が減少していた。

 Dell'Oro Group社Ethernetスイッチ調査担当ディレクタのSeamus Crehan氏は,「積極的な低価格化策と,デスクトップ・パソコン用LANとして銅線によるGビットEthernetの利用が増える影響で,同市場のなかでGビットEthernetスイッチが売上高と出荷ポート数の両方で大きな割合を占めるようになる」とみる。

 さらに同社は,2004年に売上高が大きく成長する原因の一つとして,2003年終盤から2004年初頭にかけて発生した供給不足による出荷遅延を挙げる。

 「今後も帯域幅の需要は増え続けるが,VoIP,セキュリティ,無線LANなどの,より目的に特化した使い方が広まることから,スイッチ・メーカーは差別化を進め,価格を維持する戦略を採るだろう」(同氏)

 また同社は同日,世界ルーター市場に関する調査結果も発表した。それによると,2003年に63億ドル規模だった同市場は,今後年平均14%のペースで拡大し,2008年には92億ドル規模になるという。特に,通信/インターネット・サービス・プロバイダが市場拡大に貢献する。

 Dell'Oro Group社ルーター調査担当主任アナリストのShin Umeda氏は,「ブロードバンド・インターネット接続の普及により,サービス・プロバイダがインターネット用ネットワークの拡張を迫られている」と分析する。「増加する加入者に対応するため,より規模が大きく高速なルーターが必要となり,2004年にコア・ネットワーク用ルーターが約50%増加する。ただし,長期的にはエッジ部分に導入されるルーターが市場の拡大をけん引する」(同氏)

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[発表資料(世界Ethernetスイッチ市場)]
[発表資料(世界ルーター市場)]