ドイツSiemensの子会社Siemens Information and Communication Networksは,バミューダ諸島に拠点を置く通信事業者Global Crossingが配備する欧州最大規模のネットワークのインフラに関して契約を結んだ。同社が現地時間7月29日に発表した。

 同契約は,Global Crossingが英国に配備している音声ネットワークをIPテレフォニ対応にアップグレードするもの。同ネットワークは,英国の550カ所において11万人を超える政府機関の職員にサービスを提供している。契約に関する金銭面の詳細は明らかにされていない。

 Global Crossing社はSiemens社との提携により,第1段階として同ネットワークにIPテレフォニ機能を追加し,最終的に政府機関のユーザーを音声,データ,ビデオに対応するIP VPN通信ソリューションに移行させる予定。

 同ソリューションは,Siemens社のHiPath技術を基盤としており,ネットワーク・インフラ,IP,時分割多重(TDM),公衆電話網(PSTN),無線に関係なく,ユーザーは,ロケーション,デバイスを問わずにデスクトップ電話が提供するすべての機能を利用できる。

 HiPathは,Siemens社の企業向け統合アーキテクチャ。包括的なソリューションとサービスにより,企業は既存の音声とデータ・インフラを拡張できる。企業の資本投資を保護するとともに第2世代のIPアプリケーションの実装に対応する。

 たとえば,ユーザーは自宅で仕事をする場合に,職場にかかってきた自分宛ての電話はPSTNを介して自宅の電話に回すことが可能になる。また,セキュアなIP-VPNを介して職場のLANに接続しているPC上のソフト・クラアントに対応させる方法も選べる。いずれの選択をしても,メッセ-ジング,電話転送機能を含め,職場にいるときと同じすべての機能を利用できる。また,同ソリューションは,パフォーマンスの最適化とコストの管理を行なうために包括的な管理レポートを提供する。

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