Javaの技術的方向性を定める標準化組織Java Community Process(JCP)の実行委員会は,Java Data Miningに関するJava仕様作成要求(Java Specification Request)「JSR 73」を認定した。米Oracleが米国時間7月29日に発表した。

 同仕様は,データ・マイニング機能を高度な分析が必要とされるアプリケーションに統合するために設計されたもの。Oracle社は,米Fair Isaac,米Hyperion,米KXEN,米SPSS社といった大手の分析ソフト,ビジネス・インテリジェンス,データ・ウエアハウジング・システムのベンダーのサポートを受けて同仕様の開発をリードした。

 開発者は,新しいJava APIとWebサービスによって開発に関わる時間とコストを削減できる。また,DMGが策定した「Predictive Model Markup Language」,OMGの「Common Warehouse Metadata」,ISOの「Structured Query Language Multimedia」といった他の仕様が利用できるようになるため,アプリケーションの開発と導入が容易になるという。また,JSR 73仕様により,異なるデータ・マイニング・システム間に相互運用性がもたらされ,ベンダー・ロックインの危険性を排除しながらアプリケーションにデータ・マイニング機能の追加が可能になる。

 Oracle社Data Mining Technologies and Life Sciences副社長のJacek Myczkowski,氏は,「Java Data Miningが幅広く採用されれば,開発者が単一のAPIを学ぶだけでベンダーの違いに関係なくどのアプリケーションにも分析機能を組み込むことができるようになるため,データ・マイニング機能が普及するだろう」と述べている。

 JSR 73が作成される以前には,開発者はプロプライエタリのAPIを使用しており,それぞれの開発言語向けに異なるインタフェースを学ぶ必要があった。JSR 73には,代表的な関数,アルゴリズムのセットが含まれている。また,APIを拡張するためのフレームワークも提供する。

 JSR 73は,2000年7月に開発が開始され,2002年10月以降一般に公開されてきた。

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