米Microsoftは,2005会計年度(2004年7月~2005年6月)以降の戦略について米国時間7月29日,明らかにした。年内に3000件の特許を申請するほか,2005会計年度中に最大7000人を新規採用する。「革新技術と研究開発に長期的な投資を続ける」(Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏)

 Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏は,「当社は,画期的なソフトウエア製品の提供を通じて,これまで以上に世界に影響を与えることになるだろう」と述べた。「当社の7部門すべてが成長しており,当社ならではの立場を生かして,企業,政府関連,消費者ユーザーが技術を最大限活用できるよう支援する」(同氏)

 新たに雇用する7000人は,欠員の補充と,新規分野の職務に当てる。「今後も研究開発に大幅な投資を行い,WindowsやOffice,Server and Tools部門などの中核製品で,確固たる成果を上げていく。その一方で,MSN,モバイル・エンターテインメント,中小企業向けなどの成長途上にある事業では,新たな領域の開拓に注力する」(Gates氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,次期版Windows(開発コード名は「Longhorn」)の登場は2006年または2007年に延期され,デスクトップ事業は長い“乾期”に入っている。しかし同社は,「Tablet PC」や「Media Center」がユーザーの購買欲を刺激すればビジネス推進につながると期待している。またサーバー事業でも,高性能コンピューティング分野への進出を図り,「Windows Server 2003 HPC Edition」のリリースを計画している。「当社はすでにいくつかの主要市場で優勢を保っているが,まだ十分に成長の余地はある」(Microsoft社)

 また,同メディアが報じた情報によれば,Microsoft社が特許を申請した件数は,2003年が約2000件で,数年前は1000件だった。ちなみに昨年最も米国特許を取得した企業は米IBMで,その数は3415件にのぼる。

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