米Evans Dataは,Linuxのセキュリティに関する調査結果を米国時間7月28日に発表した。それによると,開発者の92%が「自社のLinuxシステムはこれまでウイルスに感染したことはない」と答えている。

 今回の調査は,Evans Data社がLinux関連の開発者500人を対象に実施したもの。

 Linux開発者の78%は「自社のLinuxシステムがこれまでハッキングされたことはない」と述べており,「ハッキングされた経験がある」回答者は22%だった。ただし,ハッキングのうち23%は,社内ユーザーによる有効なログインIDを用いた侵入という。「3回以上,ハッキングされた経験がある」という開発者は7%未満だった。

 一方,Evans Data社が行った別の調査では,Linux以外の開発者の5人中3人がセキュリティ侵害を報告しており,「3回以上,セキュリティ侵害を経験した」割合は32%にものぼる。

 「LinuxシステムがWindowsベースのマシンほどハッキングされないのは,驚くことではない。Linuxのセキュリティが堅牢な理由は,Linuxがシンプルであることと,コードが公開されているためだ」(Evans Data社LinuxアナリストのNicholas Petreley氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・Linux開発者の80%以上が過去6カ月間でカーネル2.6に移行しており,「(同カーネルへの)移行まで1年以上かかる見込み」と答えたのはわずか12%だった

・米SCO Groupによる訴訟が社内のLinux導入に与える影響について,76%が「ほとんどない」「まったくない」と答えており,その割合は過去6カ月で8ポイント上昇している

◎関連記事
「セキュリティ最大の課題は,ユーザーの認識の低さ」,米Evans Data調査
「Eコマースの普及に伴い,セキュリティ攻撃も急増」,米VeriSign調査
「Linuxを利用する企業は59%,理由は『安定性』『性能』『セキュリティ』など」,米調査より
「ソーシャル・エンジニアリングに気をつけろ」──専門家が警告
猛威を振るう「Mydoom」ウイルス,その“手口”を解説する
【N+I速報】米MSバルマーCEO,「セキュリティへの取り組みの効果は出てきた」
「Linuxを利用する企業は59%,理由は『安定性』『性能』『セキュリティ』など」,米調査より
「2003年にセキュリティ支出を増額した企業は62%,米国では法規制が増額を後押し」,米調査

[発表資料へ]