米AMDは,低価格帯の新型プロセサ「AMD Sempron」「Mobile AMD Sempron」の提供を開始する。同社が米国時間7月28日に明らかにしたもの。デスクトップ・パソコン向けのAMD Sempronを7モデル,ノート・パソコン向けのMobile AMD Sempronを5モデル(フル・サイズ向けと小型/薄型向け)用意する。価格は,AMD Sempronが39ドル~126ドル,Mobile AMD Sempronが84ドル~134ドル。

 Sempronは,AMD社が2004年6月に発表した新プロセサ製品系列。「家庭や職場のユーザーにとって,パソコンの基本的な使用目的は電子メール,Webブラウジング,文書作成だけにとどまらない。現在は,音楽のダウンロードや再生,家族や友人への画像送信にも使う。Sempronは,日々進歩するこうした要求に応えられる」(同社)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,新しいブランド名をつけたが,AMD Sempronは「Athlon XP」プロセサのアーキテクチャを,Mobile AMD Sempronは64ビット・アドレッシング機能などを省いた「Mobile Athlon 64」プロセサのアーキテクチャを採用したという。動作周波数とキャッシュ・サイズを既存プロセサより下げており,たとえばAMD Sempronのモデル2400+~2800+は,動作周波数1.67GHz,レベル2キャッシュ256Kバイトである。

 各Sempronプロセサの1000個ロット時の単価は以下の通り。AMD SempronのパッケージはすべてProcessor-In-a-Box(PIB)とする。

【AMD Sempron】
・2200+:39ドル
・2300+:45ドル
・2400+:61ドル
・2500+:74ドル
・2600+:85ドル
・2800+:109ドル
・3100+:126ドル

【Mobile AMD Sempron(フル・サイズのノート・パソコン向け)】
・2600+:84ドル
・2800+:108ドル
・3000+:120ドル

【Mobile AMD Sempron(小型/薄型のノート・パソコン向け】
・2600+:107ドル
・2800+:134ドル

 AMD Sempronの全モデルは,直ちに利用可能とする。Mobile AMD Sempronは,いずれのモデルも2004年8月に利用可能となる見込み。

 AMD社によると,米Hewlett-Packardが2004年後半に「HP Pavilion」および「Compaq Presario」の一部でSempronプロセサを搭載するほか,中国のLenovo Groupも現地でデスクトップ・パソコンの提供を開始する。さらに,台湾Acer,ドイツMedion,台湾Twinheadなどのメーカーも,2004年後半リリースのSempron搭載パソコンを計画している。

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