米Silicon Graphics(SGI)は,米航空宇宙局(NASA)のプロジェクト「Project Columbia」の基盤システムとして同社の「SGI Altix」が選ばれたことを米国時間7月27日に発表した。

 同社によれば,NASAは,米IntelのItanium 2プロセサ512基を搭載するSGI Altixシステム20台を500Tバイトの「SGI InfiniteStorage」に統合して「Space Exploration Simulator」を構築する計画だという。同社は,同シミュレータが合計1万240個のプロセサを搭載することで,Linuxをベースとしたスーパー・コンピュータとしては世界最大規模になると説明している。

 Project Columbiaは,今後の宇宙ミッションのシミュレーション,人間の活動が気候パターンに与える影響の予測,安全で効率的な宇宙船などの開発を目指すプロジェクト。Space Exploration Simulatorによって,NASAのコンピューティング能力は10倍に強化されるという。

 同システムは,NASAのカリフォルニア州シリコンバレーにある研究施設であるAmes Research Centerに設置される予定。SGI社は,すでに3台のAltixシステムを納入しており,数カ月以内に1万240個のプロセサを搭載するスーパー・コンピュータが完成する。米科学技術政策室が5月に発表した勧告に従い,宇宙探査ミッションのシミュレーションの一部を米国の科学と技術コミュニティに開放していく予定。

 米メディアの報道( CNET News.com )によると,同システムのプロセサの数は,現在最速のスーパー・コンピュータ上位500のランキングで首位を獲得しているNEC製のコンピュータの2倍になる。NASAは,今後3年間で同プロジェクトにおけるコンピュータ関連投資に約4500万ドル投資することになるという。

◎関連記事
米IBM,米国防省の海軍海洋学局からスーパーコンピュータの契約を獲得
米SGI,「Altix 3000」の搭載可能プロセサ数を256個に増大,年末には512個に
米SGI,Itanium 2と64ビットLinux対応のミッドレンジ・サーバー「Altix 350」を発表
「当社は世界におけるスパコンのシステム数と処理能力合計で首位」,米IBMが調査結果を引用

発表資料へ