米Sun Microsystemsは米国時間7月27日,サーバー向けJavaシステム「Java Enterprise System」を他社製OSにも対応させる計画を発表した。2005年第1四半期から,米Hewlett-Packard(HP)のPA-RISCアーキテクチャ向けHP-UXと米Microsoftのx86アーキテクチャ向けWindowsをサポートする。

 Java Enterprise Systemは,ユーザー管理,認証,シングル・サインオン,ポリシー実行などのための「Network Identity Services」や,Webコンテンツを動的に管理する「Web and Application Services」といったネットワーク・サービスが含まれる。「Java System Portal Server」「同Directory Server」「同Identity Server」「同Web Server」「同Messaging Server」「同Calendar Server」「同Instant Messaging」「同Application Server」などで構成する。Sun社およびSun iForceパートナ企業を通じて利用可能。年間利用料は従業員1人あたり100ドル。現在対応しているOSは,Sun社のSolaris(SPARC,Opteron,Xeon向け)とLinux。

 またSun社は,Java Enterprise Systemに関する2種類のプロモーションを明らかにした。2004年12月31日まで実施する。システム・プロモーションでは,Java Enterprise Systemを購入し,条件を満たした顧客企業に,Opteron搭載サーバー「Sun Fire V20z」(約4000ドル相当),「Solaris 9 OS」,1年間の「SunSpectrum Silver」サポートを提供する。Solaris 9からSolaris 10へのアップグレードも無料で行える。

 ソフトウエア・プロモーションでは,条件を満たした小企業(従業員100人未満)を対象に,Java Enterprise Systemのソフトウエアを1年間無償で利用可能にする。「小企業が安全なITインフラを構築するためのツールを提供し,中核事業に重点を置いたネットワーク・サービスの開発と拡張を支援する」(Sun社)

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