米RealNetworksは米国時間7月26日に,音楽ファイルを主要なデジタル著作権管理(DRM)フォーマットに変換する技術「Harmony」について明らかにした。Apple社の「FairPlay」,米MicrosoftのDRM技術「Windows Media」,RealNetworks社の「Helix」といったDRM技術をサポートするため,「消費者は,購入した音楽をあらゆる主要な携帯型音楽デバイスで再生することができる」(RealNetworks社)。

 RealNetworks社設立者兼CEOのRob Glaser氏は,「デジタル音楽が大衆に普及するには,互換性がカギとなる」と語る。「消費者は,デジタル音楽を購入すると,特定の携帯型音楽デバイスでしか再生できなかった。Harmonyにより,消費者は購入した音楽をどれでも好きなデバイスで楽しむことができる。DVDやCDのように(どこで購入したかに関係なく)聞くことが可能だ」(同氏)

 「デバイスやソフトウエアの相互操作性は,現在の音楽購入者にとって最大の課題の一つだ。Harmony Technologyは,消費者の選択肢を広げ,この問題を解決に導く初めての技術となる」(米BMG,Global Digital Business部門責任者兼最高戦略責任者のThomas Hesse氏)

 RealNetworks社は,ニューヨークシティで開催されるオンライン音楽業界の会議「Jupiter PlugIn」で,7月27日にHarmonyのデモを行う予定。また,同日リリースする音楽プレーヤ「RealPlayer 10.5」のベータ版にHarmonyを組み込む。同社の有料音楽配信サービス「Rhapsody」などサービスや製品にも,年内にHarmonyを搭載する。

 Harmonyを組み込んだオンライン音楽ストア「RealPlayer Music Store」で販売する楽曲は,米Apple Computerの「iPod」の4世代と「iPod mini」,米Creative Labsの14製品,米Digital Networks North America製「Rio」の14製品,米RCAの7製品,米palmOneの9製品,韓国iRiverの16製品のほか,米Dell,米Gateway,韓国Samsungの携帯型音楽デバイスに対応する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によれば,Harmonyを組み込んだRealNetworks社のオンライン音楽ストアで音楽を購入すると,Harmonyが購入者のコンピュータに接続されている携帯型音楽デバイスを特定し,必要に応じて音楽ファイルをWindows Mediaフォーマットに変換する。同様に,iPodに対応したフォーマットにも変換する。Microsoft社は多数の企業にWindows Media技術をライセンス供与してきたが,Apple社はFairPlay技術を他社に供与していない。そのため,「エンジニアはiPodで再生できるよう,独自のDRM技術を開発しなければならなかった」(RealNetworks社幹部)という。同社はこの行為が「リバース・エンジニアリング」には当たらないと主張している。

◎関連記事
「デジタル音楽サービスを利用する消費者が増加,違法ダウンロードは減少」
「携帯型音楽プレーヤ,消費者のニーズは1000曲収録可能な容量」,米調査
米RealNetworksの有料音楽配信サービス「Rhapsody」,2月の配信曲数が4800万曲を突破
米Appleが4代目「iPod」を発表,バッテリ駆動時間12時間で,価格は100ドル安く
「『iTunes Music Store』のダウンロード販売曲数が1億曲を突破」,米Apple
米Apple,「iPod mini」を7月24日から米国外でも販売
米Napsterがキャンペーン,新規ユーザーにMP3プレーヤをプレゼント
米Dellが音楽プレーヤの販売キャンペーン,「iPod」と引き替えに100ドル返金

[発表資料へ]