生物の輸送および追跡向けに識別技術を提供する米Digital Angelは米国時間7月23日に,ポルトガルの農業省から契約を獲得したことを発表した。ポルトガル政府は,Digital Angel社の埋め込み型RFID(無線ICタグ)チップを犬の識別に採用する。提携規模は約60万ドル。

 Digital Angel社のRFIDチップはすでに出荷を始めており,2004年第3四半期には納品を完了する予定である。

 ポルトガルの犬識別プロジェクトは,狂犬病ワクチン接種活動と合同で行われる。ポルトガル以外の欧州諸国では,ペットの識別にRFIDチップの埋め込みを使用して,大きな効果をあげているため,ポルトガルもこれに追随する意向だ。2007年には,約200万頭の犬にRFIDチップを埋め込み,データベースに登録する。

 Digital Angel社RFID部門International Activities担当ジェネラル・マネージャのLeo Ortenblad氏によると,同社は競合入札を経て,今回の契約を獲得した。欧州では,同様の計画が多数検討されているという。

 ポルトガルを含む欧州向けの事業では,動物医療を手がける米Merialが協力する。

 ちなみに欧州連合(EU)は最近,加盟国間でペットを輸送する場合,識別のための入れ墨か,電子システムを埋め込むことを義務づける「Pet Passport」を制定している。

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