米Yankee Groupが,都市型Ethernet(メトロEthernet)市場に関する調査結果を米国時間7月22日に発表した。それによると,企業の49%が,別の都市にある設備との接続にEthernetを利用しているという。

 調査は,Ethernetを導入している,あるいは導入する予定のある米国企業308社を対象に実施したもの。

 必要性の高い機能についてユーザーに質問したところ,IP VPNとアプリケーション優先付けを求める声が最も多かった。Ethernetサービスの主な用途はインターネット接続とファイル転送だが,Yankee Group社は「Ethernet上の音声/ビデオ・サービスの導入数が24カ月以内に倍増する」と見込む。「Ethernetサービスでは,IP VPN,WAN,そしてネットワーク集約に対応することが重要」(同社)

 同社によると,「都市圏ネットワーク(MAN)/広域ネットワーク(WAN)向けEthernet市場は,これまで主に競合地域通信事業者(CLEC)がサービスを提供していた」という。「ところが現在は,米AT&Tとベル系地域通信事業者(RBOC)で構成される長距離通信事業者(IXC)を利用するユーザーの方が多くなっている」(同社)。なおユーザーは,平均2.2社のサービス・プロバイダと契約していた。

 Yankee Group社電気通信戦略担当米国上級アナリストのDavid Parks氏は,「Ethernetサービスをマーケティング/販売する際は,信頼性とコスト低減効果に重点を置くべき」とアドバイスする。「ただし,企業がEthernetソリューションやサービス・プロバイダを選択する際には,サービス提供地域,管理されたソリューションへの対応など,ほかの重要な条件の優先順位が高くなりつつある」(同氏)

◎関連記事
「VoIPは今後大幅に普及,通信業界リーダーの約2/3が楽観視」,米調査
「企業の45%が18カ月以内にMPLSネットワークを導入」,米調査
「企業向けWANの帯域幅需要は年率50~100%で増加」,米社調査
「広域Ethernet装置の世界市場,2007年には現在の2.5倍の75億ドル規模に」,米調査
「今後2年でIPセントレックスの市場規模は5倍に拡大,大手キャリアが参入」,米Gartner
2003年Q3の世界イーサネット・スイッチ市場,出荷数は前年同期比10%増だがベンダー売上高は10%減
MPLS Forumが都市型光EthernetのMEFと正式に協力関係を確立
広域イーサネットが本物のWANサービスになる日(上)

[発表資料へ]