米AT&T Wirelessは,第3世代(3G)の携帯電話規格であるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークを利用した,高速モバイル・データ通信サービスを米国で開始する。AT&T Wireless社が米国時間7月20日に明らかにしたもの。同日よりデトロイト,フェニックス,サンフランシスコ,シアトルの4都市で開始するほか,年内にはダラスとサンディエイゴでも始める見通し。

 同サービスは,「米国で初めての商用UMTSサービス」(AT&T Wireless社)。 カナダNortel Networksのネットワークを利用し,平均通信速度は220~320Kbps。将来,通信速度が14.4MbpsのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)ネットワークに容易に移行できるという。

 一般ユーザーは月額料金25ドルで,企業ユーザーは月額料金80ドルで,音声通話とデータ通信を無制限に行える。同サービスを利用するには,米Motorolaの携帯電話機「A845」,もしくはフィンランドNokiaの携帯電話機「6651」が必要。価格はいずれも299.99ドル。また,米Lucent Technologiesと米NovatelによるUMTSモデムを149.99ドル(キャッシュ・バック後の価格)で提供する。

 ちなみに,AT&T Wireless社は筆頭株主であるNTTドコモとの合意に基づき,北米で商用3Gサービスを開始すると発表していた。

 「約束通り米国の消費者や企業ユーザーに3Gサービスを提供できた。ユーザーは各種無線デバイスを使って,さまざまな情報に高速アクセスし,ビデオやオーディオをストリーミングできるだろう」(AT&T Wireless社会長兼CEOの John Zeglis氏)

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