米Infonetics Researchは米国時間7月19日,次世代音声市場に関する調査結果を発表した。それによると,世界のキャリアは,ネットワークの長期的計画として「既存の回線交換網からパケット網への移行」を重要な戦略要素と考えている。次世代音声装置に対する2003年の投資額は12億ドルで,2007年には48億ドルに拡大する見込みだ。

 調査は,北米,欧州,アジア太平洋地域のキャリア32社にインタビューを行ったもの。地域別の構成は北米が63%,欧州が28%,アジア太平洋地域が9%で,2003年の平均売上高は約120億ドル。

 Infonetics Research社アナリストのKevin Mitchell氏は「装置の完成度が高まっていることなど,多数の要因により,キャリアはパケット通信の導入にやっと傾いている」と述べている。「世界の各地域で,あらゆるタイプのキャリアがVoIP技術を導入し,新たなサービスを構築しつつある」(同氏)

その他の主な調査結果は以下の通り。

・72%のキャリアは,次世代音声導入の主な理由として「新しいアプリケーションとサービスの可用性」を挙げている

・次世代音声ネットワークでQoS(Quality of Service)/CoS(Class of Service)を実現する手段として最も注目を浴びているのはMPLS

・SIP(Session Initiation Protocol)は今後ますます普及し,IPを利用したマルチメディア・サービスの実現に必要不可欠となる。現在SIPに対応しているキャリアは54%で,2005年には84%がSIPをサポートする

・2004年に住宅および企業向けVoIPを提供しているキャリアは54%だが,2005年にはこの割合が94%に拡大する

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