イタリアのFiat Autoと米Microsoftの事業部門Automotive Business Unitが,テレマティックス・ソリューション開発に向け長期間の戦略的提携を結んだ。両社が米国時間7月15日に明らかにしたもの。「ドライバが外界と効率よくやり取りできるテレマティックス・システムを,共同で開発する」(両社)

 両社の開発するシステムは,携帯電話機,Pocket PC,Windows Mobile対応機器などを自動車のシステムと接続する。Webサービスやハンズフリー電話といった一般的なサービスが使えるほか,Bluetoothを介して電子アドレス帳などにもアクセスできる。携帯用プレーヤをUSB接続し,車載オーディオでデジタル音楽を再生することも可能となる。

 欧州で利用可能な自動車向け情報サービス「bCONNECT」にも対応させる。同サービスはFiat社傘下のイタリアbCONNECTが提供しており,位置情報サービス・ベースの地域情報や交通情報などが入手できる。

 同テレマティックス・システムには音声認識技術を組み込むので,すべての機能を音声コマンドで操作できるという。

 Fiat社とMicrosoft社はベースとなる標準ハードウエアを共同開発し,その上で「Microsoft Windows Automotive」を動作させる。さらに,車載ネットワーク規格Controller Area Network(CAN)との相互接続性も確保し,自動車制御に関する各種診断データの活用も目指す。

 システムで使用する実際のハードウエアは,Fiat社とMicrosoft社の参照設計を基に,Fiat社傘下のイタリアMagneti Marelliが開発する。

 なおFiat社とMicrosoft社は,契約金額や期間などの詳しい取引条件については明らかにしていない。

◎関連記事
「2002年の車載装置向け半導体市場,115億ドル規模で前年比6%増」,米社の調査
「テレマティックスとM2M市場は2007年に1780億ドル規模へ」,英ARCグループの調査
「2005年までテレマティックス・サービスの著しい普及はない」,米Gartner
「北米のテレマティックス市場,2006年には現在の6倍の約30億ドル規模に」,と米調査
あなたは“クルマの情報化”にお金をかけますか?
1394 TAが自動車向けLAN仕様「1394-Automotive」を承認
「自宅や会社と同じ環境を車で実現する」,日産ゴーン社長が意欲
米クライスラーが自動車内通信システム「U-Connect」を発表

[発表資料へ]