米Microsoft,米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL),米Yahoo!は,インスタント・メッセージング(IM)サービスの相互接続に関して協力体制を敷く。Microsoft社が米国時間7月15日に明らかにしたもの。Microsoft社のIMサーバー「Microsoft Office Live Communications Server 2005」をベースに,「3社のサービスをつなぐ最大規模のIMネットワークを築く」(Microsoft社)。

 Microsoft Office Live Communications Server 2005は,より安全なリアルタイムの通信を企業間で行えるようにする。IMをやりとりしたり,プレゼンス(相手がオンライン状態にあるか)を確認する機能を提供する。暗号化機能も備える。各社のサービス「AOL」「AOL Instant Messenger(AIM)」「ICQ」「MSN Messenger」「Yahoo! Messenger」にアクセスできるようにすることで,「企業は,4億人以上のIMユーザーにコミュニケーションの範囲を拡大することができる。今回の提携は,企業向けIMの普及を促進し,IMを電子メールと同様に有益なツールとするためのステップとなる」(Microsoft社)。

 米Forrester Researchの調査によると,企業向けIMへの関心は高まっているが,ネットワーク間の相互接続性が欠けていることから,多くの企業が投資回収に不安を抱き,出資計画を撤回あるいは先送りにしている。

 Microsoft Office Live Communications Server 2005は,標準規格ベースのアーキテクチャを採用する。SIP(Session Initiation Protocol),SIP for Instant Messaging,SIMPLE(Presence Leveraging Extensions)をサポートする。また,「Microsoft Office System」のアプリケーション,サーバー,サービスと連携し,「Microsoft Office Outlook 2003」「同Excel」「同Word」をはじめ,「Windows SharePoint Services」を用いたグループ向けサイトやポータル・サイトなどから直接プレゼンス情報を閲覧することが可能。「Microsoft Office Live Meeting」と組み合わせれば,IM通信を行いながらオンライン会議を開催することができる。

 Microsoft Office Live Communications Server 2005は,現在ベータ版の段階である。最終版のリリースを2004年第4四半期に予定しており,その時点で,AOL,MSN,Yahoo!のIMネットワーク間の試験接続を実施できるようにする。

◎関連記事
米Microsoftのオンライン会議/IMサービスを米デルが導入
米Yahoo!,米WebExのWWW会議システムを統合した企業向けIMサービスを発表
米AOL,企業IMユーザー向けのオンライン会議サービス「AIM Business Services」を発表
米AOL,IM管理/セキュリティ製品の米FaceTimeをAIMパートナ企業に
米Yahoo!と米Plumtree Softwareが企業向けインスタント・メッセージングで提携
IETF,IM向けプロトコル「XMPP」を標準として承認
米AOLがIMサービス「ICQ」の最新版を発表,オープンIMプラットフォーム「ICQ Xtraz」を新導入
「企業の36%は社内のIM利用を禁止,セキュリティ侵害や法規違反を懸念」,米調査

[発表資料へ]