スウェーデンのEricssonは,GSM携帯電話ネットワークのインフラ供給で,ロシアと中国の無線通信事業者とそれぞれ提携を結んだ。Ericsson社がスウェーデンで現地時間7月14日に明らかにしたもの。ロシアのVimpelComとの契約規模は2億1000万ドル以上,中国のHubei Mobile Communicationsとの契約規模は2700万ドルという。

 VimpelCom社はロシア国内に所有する六つのGSMネットワークのうち五つを拡張するために,Ericsson社のインフラ製品を2004年末までに購入する。スイッチ装置や無線装置のほか,設置および統合,モバイル・ネットワーク・プランニング,メンテナンスなどのサービスも導入する。「ユーザーは,GPRSやEDGEの最新技術を利用できるようになる」(Ericsson社)

 VimpelCom社の関連サービス提供地域には,モスクワやサンクトペテルスブルグなどが含まれ,居住者は1億3600万人(ロシアの人口の約94%)にのぼる。

 Hubei Mobile社は,湖北省のGSMネットワーク拡大に,Ericsson社のインフラ装置「MSC AXE810」を採用する。また,設置および統合サービス,ネットワーク性能向上サービス,技術サポートなどを導入する。高速データ通信アプリケーションおよびサービスにも対応させ,「第3世代(3G)へのスムーズな移行を図る」(Ericsson社)。ネットワーク拡張作業は2004年8月に開始し,2005年2月に完了する見込み。

 Hubei Mobile社は中国China Mobile HK Holdingsの子会社で,湖北省に600万人以上の加入ユーザーを抱える。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]