英国の調査会社ARC Groupは,無線ICタグ(RFID)に関する調査結果を現地時間7月13日に明らかにした。それによれば,RFIDタグとリーダーの製造業者にとって,医薬品市場に大きな可能性があるという。

 同社によれば,多くのタグとリーダー製造業者は,すでに米Wal-Mart Stores,米国防総省,その他のRFID規定によって必要とされる部門に参入している。日用消費財(CPG),食品,飲料,その他の製造業者の流通管理においては,販売製品の価格が低いためRFIDタグの価格が下がるまで導入に時間がかかるという。

 しかし,医薬品は,個々の製品価格が日用消費財と比べて高く,販売利益も大きいためRFIDタグの早期導入が見込める。また,医薬品業界では,製品のリコール,サプライ・チェーンを介した製品履歴の追跡,偽造品を防ぐための対策として,薬に関わる多くの問題を解消するためにもRFIDタグが役立つという。

 米食品医薬品局(FDA)は,すでに偽物の製品を防ぐための手段として,RFIDタグ,販売前開封防止の包装,バーコードといったアプローチを推奨している。同社は,2007年までに,製薬会社は,ケースとパレットに加え,個々の製品にタグが付けられるようになると予測している。

 同社副社長のChantal Polsonetti氏は「RFID業界にとって医薬品業界は巨大な可能性を持つ市場である。米国だけでもタグ付けされることになる製品は120億ユニットを超えるだろう」とコメントしている。

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