米Engimは,広帯域無線LAN向けチップセット「EN-3001 Intelligent Wideband WLAN」と同チップを採用したアクセス・ポイント「AP-310」「AP-320」を米国時間7月13日に発表した。同チップセットは,同社の「All Services Access Point(ASAP)」技術を搭載しており,これを採用したアクセス・ポイントは,1台で音声,データ,セキュリティ,ビデオといった既存,また将来的な複数のWi-Fiサービスへの対応が可能になるという。

 同チップセットとアクセスポイントの参照設計により,Engim社は,次世代のWi-Fiインフラの基盤を提供する。これまでは,幅広い異なるサービスへのアクセスに複数のハードウエア・プラットフォームを設置する必要があったが,同アクセスポイント1台で対応が可能になるという。そのため,無線LAN装置とこれらに費やす時間を減らすことができるとともに,無線LANを容易に管理できるようになるという。

 従来の狭帯域向け無線LANチップセットとは異なり,EN-3001チップセットは,「Wideband Spectral Processing(WAP)」を採用して複雑な無線周波数に関する問題を解消している。そのため,同チップを搭載した製品は,より多くの周波数に対応するとともに,トラフィックをインテリジェントに割り当てることができる。

 EN-3001が搭載するASAP技術のマルチチャネル機能により,アクセス・ポイントは,高度なセキュリティとリアルタイムの侵入検出,データ,音声,無線LAN管理の強化,位置情報などの組み合わせに対応できるようになる。

 同チップセットは,既存のシングル・チャネルのアクセスポイントと比べて50倍のデータ量の通信を可能にする。そのため,データ,音声,ビデオといった帯域幅を多用する企業アプリケーションに適しているという。

 同日発表したアクセス・ポイントのAP-310とAP-320は,EN-3001と同社の「Always On Network Integrity Software」を搭載している。同ソフトは,高度な監視,検出,リアルタイムのスペクトル分析機能を提供する。

 同社は,現在EN-3001チップセットとアクセスポイントAP-310とAP-320のシステム開発キットを提供している。

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