米Cisco Systemsは,米BoeingのIP電話への移行で契約を獲得したことを米国時間7月13日に明らかにした。Cisco社は,Boeing社にIP電話製品を提供するととともに従来の電話ネットワークからIP電話網へ移行させる。両社は契約に関するその他の詳細を明らかにしていない。

 Boeing社は,既存のデータ・ネットワークのインフラを強化し,Cisco社のIP電話システム「Cisco IP Communications」をベースに音声,ビデオ,データ・ネットワークを単一のネットワークに移行する計画。同社は,全米48州,70カ国に15万人の従業員を抱えており,IP電話への移行によりコスト低下を狙う。

 Boeing社では,2001年7月から3年間に渡りCisco社のIP電話製品をネットワークに採り入れたパイロット・プログラムを実施してきた。ミズーリ,テキサス,ユタ,ワシントン州の施設において同社のIP電話を試験的に取り入れ,およそ4500台のIP電話を配備して運用していた。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,移行プロジェクトにはおよそ5~7年かかるという。

 Cisco社は,IP電話の提供を開始して3年半後の2002年8月に100万台目のIP電話の出荷を発表している。その1年後の2003年7月に200万台に到達した。それから8カ月後の2004年4月に300万台目の出荷を達成したことを明らかにしている。単純計算で,1日に6000台の従来型の電話機をIP電話に置き替えていることになる。

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