ドイツSiemensの子会社Siemens Information and Communication Networksが,コラボレーション通信ポータルの新版「HiPath OpenScape Version 2.0」を米国時間7月12日に発表した。同ポータルを使って電子メールや電話など企業内の通信手段を統合すると,「従業員の連携にかかるコストを減らすことができ,ワーク・フローの簡素化と,やり取りを多用するビジネス・プロセスの合理化が実現する」(Siemens Information社)という。

 OpenScapeポータルは,Webインタフェースを採用した単一の操作画面を使って通信や管理を行う。通信手段としては,携帯電話機,社内や家庭にある電話機,電子メールなどが選べる。通信相手の状態を把握できるプレゼンス機能を備えており,内蔵されているマルチメディア・コラボレーション・ツールを使ってワンクリックで相手を呼び出せる。

 米Microsoftのオンライン会議サービス「Microsoft Office Live Meeting」との連携も可能で,移動中や遠隔地の相手ともすぐに連絡が取れる。

 Session Internet Protocol(SIP),SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging(SIMPLE),各種Webサービス標準を採用しているので,CRMデータベースや顧客サービス,その他バックオフィス・プラットフォームなどの一般的なビジネス・プロセスに対し,プレゼンス対応のリアルタイム通信機能を組み込める。

 さらに,Version 2.0に同梱されるWebサービス用ツールキットを利用すると,マルチモーダル・アプリケーションの導入が可能となる。同キットはSIPとSOAP/XMLベースのアプリケーション環境であり,既存の音声プラットフォーム上で動作する。Webサービス対応のモジュラ型アーキテクチャなので,OpenScape自体の機能強化や,新たなアプリケーション作成も行える。

 なおSiemens Information社によると,「米STAR Information TechnologyはOpenScapeとMicrosoft社のコラボレーション・ソフトウエア『SharePoint』を連携させ,最初の6カ月間だけで会議関連コストを40%削減した」という。

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