米Parks Associatesは,無線ブロードバンド・サービス市場に関する調査結果を米国時間7月8日に発表した。それによると,IEEE802.16 revision d(無線ブロードバンド規格WiMAXのうち,固定通信向け規格)対応の無線ブロードバンド・サービスの利用者数は,2009年末に全世界で700万人を超えるという。

 IEEE802.16a revision dは,米国電気電子学会(IEEE)がIEEE802.16-2004として2004年6月24日に承認した固定無線ネットワーク用規格。IEEEは最終版を7月の終わりごろ公開する予定。Parks Associates社は「規格が承認されたことで,固定ブロードバンド無線ソリューションの開発と技術革新が加速する」と予測している。

 ただしParks Associates社上級アナリストのYuanzhe(Michael)Cai氏は,「相互接続テストと(規格に対する)承認作業はいずれも時間がかかるうえ,キャリアは新しい装置の導入試験に平均6カ月かける」と指摘する。「そのため,装置が量産されて商用サービスが始まるのは2006年以降になるだろう」(同氏)

 同氏は,「IEEE802.16 revision dの家庭市場への導入は欧州とアジアで始まり,中南米と北米がそれに続く」とみる。「先進諸国における導入のほとんどは,ブロードバンド・サービスが行き渡っていない市場で広まり,政府がさまざまなブロードバンド・サービス提供を推進することで導入が進む。有線ネットワーク・インフラが不足している先進国では,音声およびデータの両通信でIEEE802.16 revision dを利用するようになる」(同氏)

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