米MX Logicは,スパム・メールに関する調査結果を米国時間7月7日,発表した。米国で1月にスパム・メールを禁止する「Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing(CAN-SPAM)」法が施行されて6カ月が経過した。この間,同法に準拠した広告メールがスパム・メール全体で占める割合は平均2.3%だったという。

 調査は,同法の施行後,MX Logic社が受信したスパム・メールを毎週無作為に1万通選び,その内容を調べたもの。なお,同社が受信した電子メールのうち,75%がスパム・メールだった。

 6カ月間の推移をみると,1月~4月はCAN-SPAM法への準拠率が3%だった。しかしその後,下降線をたどり,5~6月はわずか1%となった。

 MX Logic社CTOのScott Chasin氏は,「法規制だけに依存していては,スパム・メールを撲滅できない。強固なスパム防止技術や,認証プロトコルの強化に向けた業界全体の取り組みが必要なのはもちろん,スパムメール,ウイルス,フィッシングから身を守る術をユーザーに教育することも重要だ」と指摘する。

 また同氏は,「電子メールの認証プロトコルに関しては,インターネットの標準化機関であるInternet Engineering Task Force(IETF)が策定に取り組んでいる,統合スパム対策仕様『Sender ID』などが有望だ」とつけ加えた。

 ちなみに,CAN-SPAM法では,広告メールが以下の条件を満たすように定めている。

・差出人を示す「From」で,送信元を明示する
・メッセージ本文の内容に見合った件名をつける
・広告主の住所を記載する
・受け取り拒否や配信停止の手続きが行える仕組みを提供する

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