オランダのRoyal Philips Electronicsは,村田製作所がPhilips社の802.11b無線LAN規格対応チップセットを採用すると,米国時間7月5日に発表した。同チップセットは「低消費電力,小型が特徴」(Philips社)。今後3年間に急成長が見込まれるスマートフォンなど,ハンドヘルド機器専用に開発したという。村田製作所は携帯電話の無線LANモジュールに同チップセットを採用する。

 同チップセットのスタンドバイ時の消費電力は「業界で最も低い」(Philips社)2ミリワット。ホスト・プロセサの電源が入っていない場合でも,着信トラフィックの検出/処理が可能なため,バッテリ駆動時間を延長できる。ホスト・プロセサは,有効なデータ・パケットを受信した時だけ動作するため負荷がゼロに等しく,消費者電力をさらに削減可能という。また,同じ2.4GHz帯を使うBluetoothと一緒に搭載しても,干渉を受けないというメリットがある。

 Philips社副社長兼ジェネラル・マネージャのPaul Marino氏は,「当社のチップセットを,モジュール事業ですばらしい成果を上げている村田製作所が採用し,大変嬉しく思う」と述べた。「携帯電話メーカーは,802.11bチップセットを搭載した村田製作所の最新モジュールによって,さまざまな無線LAN機能を経済的に提供できるようになるだろう」(同氏)

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