米IBMはフランスのラゴードに無線ICタグ(RFID)のテスト・センター「RFID Testing & Solution Center」を開設した。同社が現地時間7月1日に発表したもの。欧州企業は,実際の顧客環境でRFID製品をテストできる。

 小売り販売店や消費者用品メーカーに続き,製薬,自動車,エレクトロニクス,旅行および交通などの業界でも,RFIDを導入しつつある。新たなテスト・センターは,顧客がRFID技術を効率的に取り入れるための最良の決断を下せるよう支援する。なお同社は,米国ゲイザーズバーグと東京に,RFID開発センターを所有している。

 ラゴードのセンターで特定,検証,統合に取り組む主な内容は以下の通り。

・業界別プロトタイプ
・ミドルウエアとアプリケーション
・IBM社パートナ企業のコンポーネント
・顧客の用途に合わせた装置と環境
・複数のデータ利用のための適切な環境
・アンテナおよびタグの特性
・金属,温度,湿度などの課題
・外部に雑音や他の無線がある環境での性能
・システムのパフォーマンスと,導入による利益見込み

 「企業は,RFIDプランの実例とデモを確認できるほか,他の選択肢もテストすることが可能。製薬,小売り販売,ロジスティクス,製造,政府関連,交通といった各業界向けプロトタイプをIBM社が用意している。使用するRFIDソリューションを決定した顧客には,IBM社が導入作業に協力する」(IBM社Europe Middle-East & Africa事業Pervasive / Wireless e-business部門バイス・プレジデントのGuido Bartels氏)

◎関連記事
米IBMと蘭Philips,RFIDの共同開発計画を発表
米MicrosoftがRFID技術検討団体を結成,米Accentureなどが参加
米SunがRFID取り組みを拡充,ダラスにテスト・センターを開設し仏Capgeminiと提携
米Intelと欧州の小売大手4社,EPCやRFIDの普及促進に向けたワーキング・グループを設立
「企業がRFIDに寄せる期待は大きい,しかし現在は短期的なROIに注目」,米Accenture
「RFID市場,2004年後半から2005年初旬に大幅に成長」,米ABI Research
「RFIDインフラ市場,2008年には42億ドル規模に」--米調査
「2007年にはRFID統合サービスの売上高がRFIDハードウエアを超える」,米調査

[発表資料へ]