英Sophosは,2004年6月におけるコンピュータ・ウイルスなどの被害状況についての調査結果を米国時間7月1日,発表した。Sophos社が検出したウイルス/ワームのうち3分の1近くを「Zafi」ワームが占め,これまで大きな被害を及ぼしていたNetskyとSasserを抜いてワースト1になった。

 「当社がZafi-Bを検出したのは6月11だが,急激に被害が拡大した。このワームは,さまざまな言語を使って,PtoPファイル共有システムと電子メール経由で感染を広げている」(Sophos社上級セキュリティ・アナリストのChris Kraft氏)

■2004年6月のウイルス被害ワースト10
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1.  W32/Zafi-B        30.4%    初ランクイン
2.  W32/Netsky-P       9.9%
3.  W32/Sasser         6.8%
4.  W32/Netsky-D       3.1%
5.  W32/Netsky-Z       2.1%
6.  W32/Netsky-B       1.6%
7.  W32/Bagle-AA       1.2%
8.  W32/Netsky-Q       0.8%
9.  W32/Sober-G        0.7%
10. W32/Netsky-C       0.5%
その他                42.9%
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出典:Sophos社

 Sophos社によると,「2004年6月にやり取りされた電子メールのうち,7%以上が感染していたことになる」という。なお,同社が6月に検出および防止した新ウイルス/ワームは677種類あり,現在同社製品が防御できる総数は9万1488種にのぼる。

 また同社は,2004年6月における偽情報のワースト10も発表した。それによると,「hotmail hoax」は下火になったが似たような偽情報が現在も出回っているという。

■2004年6月の偽情報ワースト10
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1.  Meninas da Playboy             13.3%
2.  Hotmail hoax                   11.0%
3.  Spunkball                      10.1%
4.  Bonsai kitten                   6.3%
5.  Budweiser frogs screensaver     4.9%
6.  A virtual card for you          4.6%
6.  Bill Gates fortune              4.6%
8.  WTC Survivor                    4.4%
9.  JDBGMGR                         3.5%
10. Jamie Bulger                    2.2%
その他                             35.1%
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出典:Sophos社

 こうした偽情報への対応について,Kraft氏は「疑わしいメールは,単に無視また削除するか,社内のIT部門に問い合わせるのが最善」とアドバイスする。

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