米Novellが支援するオープンソース・プロジェクトMono projectは,.NET Frameworkベースのソフトウエア開発プラットフォーム「Mono 1.0」の無償提供を開始した。Novell社が米国時間6月30日に明らかにしたもの。Monoを使用すると,クロスプラットフォーム環境でLinuxやその他OS用のアプリケーションを開発できる。
Linux用ソフトウエア開発の現状について,Mono projectの創設者でNovell社開発担当副社長のMiguel de Icaza氏は「デスクトップ環境としてLinuxを導入する企業が増えているものの,既存の開発ツールはあまりに専門的かつ複雑なため,Linuxデスクトップ用アプリケーションの開発は困難だった」と述べる。「Monoは非常に使いやすく,必要なツールとAPIが揃っており,商用レベルのLinuxデスクトップ/サーバー向け開発プラットフォームといえる。各種標準規格と,実績のあるプログラミング言語およびライブラリがベースで,LinuxだけでなくWindows,Mac OS X,各種Unix用アプリケーションの開発も可能」(同氏)
Monoには,C#コンパイラ,.NET互換ランタイム,2種類のAPIスタックが付属する。APIスタックの1つは,Linuxサーバー/デスクトップ用のMonoスタック。もう1つは,Microsoft .NET Framework 1.1互換APIで,ASP.NET,ADO.NETなどのコンポーネントに対応している。
クロスプラットフォームのGtk# GUIプログラミング・ライブラリも備えているので,Monoで使用可能なプログラミング言語を使って単一のソース・コードからLinux/Windows/Mac OS X上で動作するGUIを作れる。C#のほかに,Visual Basic,Python,JScript,Javaでもプログラミングできる。
Mono 1.0は,Mono projectのWebサイトから無料でダウンロードできる。同サイトでは,各種ツール/情報,プロジェクトのロードマップなども提供している。
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