米IDCが米国時間6月29日に,アプリケーション導入ソフトウエア市場について調査した結果を発表した。2003年に同市場は前年と比べ4.4%成長し,新規ライセンス収入やソフトウエア関連サービスによる売上高合計が70億ドル強にのぼった。IDCは,同市場の売上高が2004年に前年比約4%増となり,2008年まで年平均4%以上のペースで拡大するとみる。

 調査は,2003年10~11月にかけて北米のITマネージャ1200人以上を対象にインタビュー形式で実施,回答を得たもの。ちなみにIDCは,“アプリケーション導入ソフト”を,アプリケーション/Web/統合サーバー・ソフト,メッセージ指向のトランザクション・サーバー,アクセス統合ミドルウエアなどと定義付けている。

 2003年の市場をベンダー別にみると,首位の米IBM(市場シェアは35.6%)に,米BEA Systems(同11.5%)と米Oracle(同5.9%)が続く。2002年と順位に変動はないが,各社ともシェアを伸ばしている。

 競争が最も厳しいLinuxとUNIX分野では,北米で足場を固めたBEA社が優勢を維持した。しかし,Oracle社が市場平均の3倍のペースで成長するなど,目覚ましい伸びをみせた。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・特定プラットフォームに依存しない製品の人気が高まっている。メインフレームとOS/400からの移行が進むにつれ,さまざまなメーカーの製品が普及するようになる

・開発者は,より高度で機能的なプラットフォームを求めるようになっている。今後は,使いやすいツール・セットやフレームワークを備えた製品のニーズが高まる見通し

・ビジネス・プロセス・オートメーション(BPA)の需要が増える。特定の業界,業務,企業規模に特化したBPAを柔軟に提供できる製品が求められる

◎関連記事
米IBM,Webとデスクトップ環境を融合させるミドルウエアを発表 
米IBM,SOAベースのビジネス・プロセス構築を支援するソフトとサービスを発表
米BEA,Liquid Computing構想のモバイル要素「Alchemy」を発表
「米国は日本に比べ3年の遅れ」モバイル用ミドルウエアの米アリゴ社長 
「OSよりもミドルウエアやアプリケーションに集中する」とSRA社長
・ミドルウエア市場は年平均49.8%で成長,2006年には17億ドル規模」,米IDC
「企業向けシステム管理ソフト市場は2005年まで年平均12.5%で成長」と米IDC
「ソフトウエア業界は整理統合の時代へ」,米データクエストが分析

[発表資料へ]