米IBMは,米ニューオーリンズ州にある医療施設Touro Infirmaryがペーパーレスの病院を目指してIBM社の中小型メインフレームを採用することを,米国時間6月29日に明らかにした。同病院では,IBM社が5月に出荷を開始した「eServer zSeries 890(z890)」を導入する。

 同施設は,z890をドイツSiemens社のSiemens Medical Solutionsグループのアプリケーションとともに利用して臨床文書の交付,患者管理,患者会計などを行なう。医師,看護士,管理担当者による患者情報と医療記録への迅速なアクセスを可能にして患者ケアの改善を狙う。

 また,契約には,情報管理の改善を目的とするデータ・センターのストレージ・ソリューションのアップグレードも含まれている。同センターは,IBM社の大規模システム向けストレージ・サーバー「TotalStorage Enterprise Storage Server(ESS)Model 800」を導入してSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)を実装する。

 データ・センターの新しいソリューションは,医師,看護士,技術者を含め2000人を超える病院職員によって利用される。Siemens社の医療情報ソフトウエア「INVISION」を稼動するサーバーは,患者の受け入れ,研究室テストの申し込み,結果の受け付け,看護文書と患者への請求などを処理する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によれば,今回の契約期間は5年間で,契約金額は15億ドル規模になる。Touro InfirmaryのCIOであるPeter Dougherty氏は「18ヶ月以内に完全にペーパーレスに移行できると思う」とコメントしている。

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