米Broadcomは,IEEE802.11g対応のシングル・チップセット「AirForce One 54g」を米国時間6月29日に発表した。複数のWi-Fiチップの機能を単一のチップに統合しているため,無線LANデバイスのサイズ,コスト,電力消費量を縮小できるという。

 同製品は,2.4GHz無線,802.11a/gベースバンド・プロセサ,MAC,その他の無線コンポーネントを統合している。同社によれば,従来のWi-Fiモジュールと比較してサイズの72%縮小が可能になる。また,既存のソリューションと比較して無線機器に必要とされるコンポーネントの数を45%減らすことができるという。

 同チップは,AirForce製品のソフトウエア・セットに加え,安全なWLANへのログオンを可能にするために同社が先ごろ発表したソフト「SecureEZSetup」にも対応するとともに,GPRS,GSMといったWAN技術に向けてビルトインのインタフェースを備えている。同社のInConcert技術により,BluetoothとWi-Fi技術の両方のデータ転送を同期させてパフォーマンスを最大限にすることができる。

 統合された802.11a/gベースバンド/MACにより,無線ベンダーは参照デザインBCM2060の同チップを追加するだけで企業インフラにデュアルバンド機能を持たせることができるようになる。AirForce One 54gの参照デザインBCM94318は,54gデバイスの通信範囲を既存のソリューションと比べて70%拡大できるという。

 同社は現在,同製品のサンプル出荷を行なっている。

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