米Sun Microsystemsは米国時間6月29日に,オープンソース開発ツールの最新版「NetBeans 4.0」のリリースについて明らかにした。7月中にベータ版の提供を開始する予定。最新版は,Java 2 Platform Enterprise Edition(J2EE)アプリケーション開発のための広範な機能を備えるほか,Sun社の研究所であるSun Labsの技術をベースにした新たなJavaパフォーマンス・プロファイラや,Java専門家James Gosling氏のJackpotプロジェクトで開発したリファクタリング技術などを追加している。

 NetBeans 4.0は,デスクトップやWebサービス向けなど,あらゆるJ2EEアプリケーションを開発するための技術が利用できる。既存のJavaServer Pagesソフトウエア,Javaサーブレット拡張機能,JSR-45準拠のJava Standard Tag Libraryサポートを基盤として,Enterprise JavaBeans(EJB)コンポーネントなどの開発技術をサポートする。Java Web Services Developer PackやSun社の「Java System Application Server」などと組み合わせることにより,安全で相互運用性のあるWebサービスを構築できる。

 また,Java 2 Platform Micro Edition(J2ME)へのサポートも強化しており,MIDP 2.0,CLDC 1.1,J2ME Wireless Toolkit 2.2などに対応する。なお,J2ME Wireless Toolkit 2.2は,ベータ版が同日より入手可能となっている。

 ちなみにSun社は,同社の商用統合開発環境(IDC)「Java Studio Standard」から「1400万ドルに相当する」(Sun社)約35万行のソース・コードをNetBeansプロジェクトに公開し,NetBeans 4.0の新機能開発に協力した。

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