米RealNetworksは,同社のオープンソースのメディア・プレーヤ「Helix Player」について,米Red Hatおよび米Novellと提携を結んだことを発表した。RealNetworks社が米国時間6月28日に明らかにしたもので,Red Hat社およびNovell社のデスクトップ向けLinuxディストリビューションに同プレーヤを搭載する。「両社のデスクトップ用Linuxで,映画からニュースまで様々なプログラムが楽しめるようになる」(RealNetworks社)

 Red Hat社は,自社のデスクトップ製品にHelix Playerをバンドルする。RealNetworks社が今夏にリリースを予定しているHelix Playerベースの「RealPlayer 10 for Linux」へは,無償でアップグレードする。Novell社は,今後発売する自社のデスクトップ製品に,RealPlayer 10 for Linuxを組み込む。Red Hat社とNovell社は,これらのバンドルに必要なリソースを提供する。

 「米Sun Microsystems,ターボリナックスとの提携に加えて,Red Hat社およびNovell社と提携したことで,RealPlayerとHelix Playerは,デスクトップ用Linuxにおける音声および映像の新たな標準となる」(RealNetworks社)

 Helix Playerは,RealNetworks社のソース・コード公開の取り組み「Helix Community」で開発された,無償メディア・プレーヤで,マルチメディア再生エンジン「Helix DNA Client」や「Vorbis」「Theora」コーデックなどのオープンソース・コンポーネントが含まれる。RealPlayer 10 for Linuxは,上記のオープンソース・コンポーネントに加えて,SMIL,MP3,Flashなどの商用コンポーネントや,RealAudio,RealVideoなどのメディア・フォーマットに対応する。

 さらにRealNetworks社は同日,Helix PlayerにGeneral Public License(GPL)をライセンシング・オプションに追加することを明らかにした。同社は今後30日以内のGPL適用を目指しており,「ソフトウェア開発者は,GPLの『無償ソフトウエア』ライセンスの下,RealNetwork社のメディア・プレーヤのフレームワークを利用した,幅広い開発を行えるようになる」(RealNetworks社)としている。

 Helix Playerと,RealPlayer 10 for Linuxのベータ版は,Helix CommunityのWebサイトからダウンロードできる。

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