米Verizon Wirelessと米消費者製品安全委員会(CPSC)は,Verizon Wireless社が取り扱っている携帯電話機「LG TM-510」のバッテリに加熱や破裂のおそれがあるとして回収/交換を呼びかけている。Verizon Wireless社が米国時間6月25日に明らかにしたもの。交換対象は,「AEMLLL 02220」「AEMMHH 02220」「AEMLLL 02X25H」「AEMMHH 02725」のいずれかの製造日コードが付いているバッテリ。携帯電話機本体に問題はない。

 同社は同電話機の購入者に対し,新しいバッテリに交換する手順などを手紙でも直接案内する。「問題の製造日コードが付いているバッテリすべてに障害が発生するわけではないが,予防策として消費者に知らせることにした」(同社)

 同社は,LG TM-510で使用中のバッテリが加熱/破裂したという報告をこれまで18件受けている。原因はバッテリの過充電であり,サード・パーティ製のシガー・ライター用充電器など,同社から承認されていない非標準の充電器を使うと発生するという。

 同社では,「危険性のあるバッテリはおそらく模造品で,過充電防止用の回路が適切でなく要求仕様を満たしていない」と説明する。しかし,外見から模造品と正規品を区別することは不可能なので,同社は危険性のある全バッテリの交換に踏み切った。

 LG TM-510とバッテリの製造は,韓国LG Electronics傘下の米LG Mobile Phonesが担当している。LG Mobile Phones社は同日,問題のバッテリに関する声明を発表した。その内容は以下の通り。

 「模造品バッテリの製造に当社は関与していないが,当社の商標が不正に使用されていて本物と非常によく似ている。既に模造バッテリ製造元の1つは特定できており,米国の輸入業者に対する法的措置を講じた」(LG Mobile Phones社)

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[発表資料(Verizon Wireless社)]
[発表資料(LG Mobile Phones社)]