米AMDは,日本法人である日本AMD内にモバイル用プロセサ専門の研究所「AMD Japan Engineering Laboratory(JEL)」を開設した。AMD社が6月23日に明らかにしたもの。軽量薄型ノート・パソコンのほか,低消費電力が必要とされる家電製品,通信機器向けのプロセサ・プラットフォームを設計する。

 日本市場について,AMD社コンピューテーション製品グループ担当上級副社長のDirk Meyer氏は「世界のなかでも特にモバイル・コンピューティングへの移行が進んでいる」と説明する。「x86技術は今後もモバイル・プラットフォームで勢力範囲を広め,場所を問わず高度なコンピューティング機能を利用するための基盤となるだろう。当社のパートナである日本のメーカーは,こうしたビジョンを実現させる活動に必要不可欠な存在だ」(同氏)

 研究対象は,「Mobile AMD Athlon 64」プロセサ,「AMD Alchemy」および「AMD Geode」ソリューション。日本市場をターゲットとする設計活動を行うとともに,テキサス州オースチンおよびドイツのドレスデンにいる半導体技術チームや,オースチンおよび台湾の台北にいるプラットフォーム技術チームと密に連携する。

 同研究所は,当初AMD社フェロー兼チーフ・プラットフォーム・アーキテクトのSteve Polzin氏が指揮する。同社は今後1年から1年半のあいだに,研究要員として電子工学,サーマル,半導体分野の技術者15人~20人を募集する計画。

 同社によると,シャープがノート・パソコン用プロセサの技術開発でJELに協力する意向を表明しているという。

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