米Agere Systemsは米国時間6月22日に,ブロードバンド接続を介して音声とデータの統合サービスを提供するための新たな技術「Unbreakable Access」について明らかにした。「新技術により,これまでVoIPの普及を妨げていた課題を克服できる」(Agere社)としている。

 Unbreakable Accessは,Agere社のトラフィック管理とサービス保護に関する専門知識を取り入れたアルゴリズムを用いており,Agere社のネットワーク・プロセサに取り入れる。Unbreakable Accessを利用することにより,サービス・プロバイダは,特定のアプリケーションやサービスを保護し,従量制で提供することが可能。「現在のネットワークでは,すべてのユーザに向けたすべてのサービスを保護するか,全く保護しないかの2通りしかなく,利用量に応じて課金することはできない」(Agere社)

 Unbreakable Accessをベースにしたチップセットは,,英British Telecom(BT)の大規模なネットワーク切り替え計画「21世紀ネットワーク(21CN)」のために開発したもの。BT社はすでに21CNにとりかかっており,2008年には大半の英国内公衆電話網(PSTN)をIPベースのネットワークに移行する予定である。

 Agere社は統合ブロードバンド・サービスの提供で,BT社,富士通,英Marconiなどと協力体制を敷く。

 ちなみに,Unbreakable Accessでは,他のブロードバンド接続サービスの修復技術と比べて,各種ネットワークのトラブル(光ファイバの切断や接続装置の離脱など)によるサービス中断から最大20倍速く復旧できる。また,DLCの機能をDSLAMに統合すれば,約50%の運用コスト削減を実現できる。

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